心の声の駄々洩れ

ふと誰かに聞いて欲しいことをぽつりぽつらとかいていきます。

終わるとわかって君といた。

 

指図春樹は夢を見た。
青い空の夢。遠くの方からはなしかけられているような、そんな夢だった。

 

「春樹、もう映画終わったよ。」と彼女はいった。彼女の名前は小林麻由香。
「あ、うん。ごめん、寝てた。」と僕はいった。
「うん、いいの。疲れてるでしょ。」と彼女はいった。

 

僕は疲れてなんかいなかった。ただ映画の趣味が合わない。彼女が好きな映画はオドレイ・トゥトゥが出てくるような、ファンタジックで喧嘩ばかりして最後は見るものにお任せのフランス映画。今回の映画も彼女がみたいとさんざんいっていたもので、やっぱり面白いとは思えなかった。

 

僕と彼女は映画館を出ると、よくあるチェーン店の喫茶店に入った。僕は注文に、彼女は空いている座席を探しにいった。

 

「コーヒー二つ、お願いします。」


「かしこまりました。250円です。ありがとうございます。」と目の笑っていない笑顔で僕にコーヒーを渡した。

 

彼女は窓から二番目の2人がけの席に座っていた。スマートフォンに照らされる彼女の横顔をみて、「疲れた。」と思った。

 

テーブルにコーヒーをおいて席に着いた。
「あの映画、面白かったね。」
今日も僕は君に言えない。

終わるとわかってはいるけれど。